闘病記手術前: 2007年11月アーカイブ

今後の処置の話しを先生から聞いてから3日たちました。3日間ネットで最先端医療を調べていました。いろいろ知らない事があるのでびっくりしています。
 
 今まではがんの治療は、外科治療と放射線治療と化学療法しか知らなかったのですが、重粒子線がん治療、定位放射線治療、免疫療法、がんワクチン療法など他にもいくつかあるようです。
 
  胞巣状軟部肉腫でも免疫療法の中の自己活性化リンパ球療法で、延命することがあるような話しを2件見つけました。抗がん剤しかないと半分あきらめていましたがちょっとだけ前向きな治療方法があったので心がほっとしています。

 また、がんワクチン療法の臨床が今年から始まっていることも知ることができました。がんワクチンを調べていると自家がんワクチンというものが使えそうな気がします。これで手段が3つになりました。

    1.  抗がん剤
    2.  自己活性化リンパ球療法
    3.  自家がんワクチン

 3番めの自家がんワクチンに大変興味があって詳しく調べています。外国のサイトも探していますが、困った事に英語がわかりません。もっと学生時代に勉強しておくべきでした。翻訳ソフトも医療の話しではちよっと厳しいみたいです。

    今、私は落ち込んでいませんよ。生きる道を必死に探しています。

 

 

 

 


 

 やっとのことで一通り仕事の引継ぎが終わりました。自分の仕事でみんな精一杯なのに私の仕事まで無理やり押し付けてしまって本当にすみません。わからないなりに頑張っている姿をみるとつい手を出したくなってしまいます。でもここで助けてしまったら私が長期入院したらもっともっと大変になってしまうと思うと鬼になってじっ~と我慢しています。
 "仕事が間に合わない"、"仕事をキャンセルしようか"との言葉を聞くたびに自分ができたらなと心でつぶやいています。でも今は何もできない、何も言えない、どうかみんなで判断してくれ~

 

 

 

 

 

 

今後の治療方針

|

PET検診の結果が出る日です。ちょっと日にちが空いた為でしょうか、脳への転移が心配な為でしょうか、何か昨日からちょっと憂鬱な気分になっていました。

 ネットで調べたことをどこまで訊こうか?
素人の私が調べたことなど医学的にはばかげているのかな?
でも今回は命がかかっている。

 車で1時間ちょっと。前回と同じぐらいです。病院に着くと入院に備えて一つだけ確認しなければいけないことがあったので入退院の受付をさがして病院を右往左往とうろうろしていました。そんなに広いわけでもないのにどうしても見つからないのです。病院の人に訊いたら初診受付の横にありました。これじゃあ小さすぎてわからないよ~。

"入院中病室でノートパソコンを使用して大丈夫ですか?"
"大丈夫ですよ。でもインターネットはできませんよ"
よかった。これで、音楽も聴けるしDVDも見られるし日記も書ける。

 PET検査の結果は肺以外の転移はない。まずは脳へ転移していなかったことにほっとしました。ただし肺に7つ転移腫が見つかりました。前回1つと言われていたのですがレントゲンの所見なのでしょうがないのかな?

 その後、今後の治療の話しになりました。
肩の腫瘍は転移してしまっている以上とってもとらなくてもどちらでも大きな差ない。ただし、今痛いのであれば取ったほうがいいかな。取るのであればもうひとつもいっしょにとりましょう。
問題は肺です。抗がん剤はききません。
放射線治療も7つの腫瘍がまとまってなくて両方の肺にわたって点在しているので無理です。もし無理に治療したら肺が放射線でだめになってしまいます。
ガンマナイフのようなピンポイントの照射できないのか?
頭なら可能ですが肺は常に動いていて固定できないので無理です。
治験レベルの新薬はないのですか?
1000万人2人という患者しかいないので薬品メーカーは売れないから開発しない。
温熱療法をどうですか
この病院でも以前はやっていましたが効果が証明できないので現在はやっていない。
片方の肺全部に温熱療法はできないですか?
詳しく調べないとわからないが肺がだめになると思うよ。

 抗がん剤は効果がないと思われるがもし効いて小さくなったからといって寿命が延びたとは誰も証明できない。他の癌と違って症例が少なすぎて現段階ではそれが本当に良かったかは誰もわからない。もしかしたら何もしないほうが寿命が延びた可能性だってある。

 抗がん剤は副作用が非常にある。もし考えられる抗がん剤をいくつか使っても効果がなければ副作用による腎臓や他の機能への障害のほうが大きい。この病気の成長はきわめて遅いことはわかっている。今ある転移腫もいつできたかまったくわからない。1年前かもしれないし5年前かもしれない。もちろん人それぞれ違いますが。それならば肺の転移腫が広がるのにも時間がかかる。肺へ広がってもすぐに死んでしまうわけではない。肺への広がりのスピードを確認してからあるタイミングで抗がん剤を使用するのも一つの方法ではないか?もちろん、今抗がん剤の治療を使用して効果があって?小さくなったなら後で抗がん剤を使用しても同じになるだろう。
今、抗がん剤の治療をするか後で抗がん剤の治療をするかは自分で決めなさいとの事

 ちょっと失礼かもしれませんが、この先生面白いとおもいました。研究の為でなく患者を1分1秒でも長く生きていられること、正常な生活をいかに長くおくれるかを真剣に考えてくれているように思えました。

 絶対に肩は切除、肺は抗がん剤とすぐに言われると覚悟してきた。でも肺に少ししかない転移腫の為に(まあ今後の増殖をおさえる為もあるとは思いますが)なぜ抗がん剤を使用しなければならないのか今日まで自分で考えてきた部分でもあります。

 セカンドオピニオンの話しもして頂きましたが、今は先生を信頼していますのでその必要性はないと
思います。

 一週間自分でいろいろ考えたいと思っています。

 

 

 

 

この腫瘍は筋肉などの軟部組織にできる腫瘍です。私の場合左肩に2つできました。
一つ4センチぐらいもう一つはもう少し小さいものです。痛みをないと書かれているのですが私の場合腫瘍が骨か神経を圧迫しているせいだと思いますが、左腕を上にあげると痛みがありました。我慢ができない痛みではなくじわぁとした痛みです。腫瘍が成長しているのか最近は上に上げなくても少し痛みがある時があります。日によりまったく痛くない日とちょっと痛い日とがあります。

 患者さんは、1000万人に1.5~3人とか1000万人に2人とか書かれていました。ほとんどの整形外科の先生もこの病気の患者を診察したことがない人がたくさんいらっしゃるのではと思います。前にも書きましたが私の担当の先生も私で2人目とのことでした。
患者さんがいないということは、治療が確立されていないし治療効果も検証されていないということのようです。

 この病気は、肺や脳に転移しやすいそうです。私も肺に転移しています。抗がん剤が効きにくく、放射線治療も難しい病気です。切除以外方法がないようです。ですから肺などに転移していると治療が大変難しいとの事でした。
 
 原因はDNAの中の2つが突然変異よって癌化するということはわかっているそうです。
5年生存率は62%とか67%とかいろいろです。ただし、肺に転移しているともっと低いようです。ただし、統計的なデータなので癌は人によってかなり違うようなので私にどこまであてはまるかは疑問です。
 
 唯一私にとって良い話は、腫瘍成長がきわめて遅いということです。

 

 

 

 

 

私の病気がわかってからばあちゃんが憔悴しきっています。
 癌の話はしたのですがさすがに転移の話はすることができないでいます。
 27日検査の結果がわかると話しているので私か妻と顔をあわすたびに"転移はしてないといいね"と心配そうに話してきます。
 
 転移していると知ったらがっかりするだろうな。どうしょうか。
 今のうちに免疫をつくっておかなければ・・・
 
 ばあちゃんとゆっくり話をしなければ・・・

 "27日に前回の検査の結果がわかるけど、転移していると思ってて"
 "今転移してないと思ってて、結果転移してたらすごくがっかりしちゃうから"
 "だから今は転移してると思っててね"
 "もし転移してなかったら 万々歳 だね"
 

今はこう話すしかないかな!

 

 

 

 


PET検査

|

今日PET検査に行ってきました。正確にはPET-CTです。
 最初私一人で行く予定だったのですが、妻が予定がなくなったので一緒に行ってくれることになりました。
 
 結婚して何年になる? 17年などと昔の話をしているうちにすぐにそばまで着いてしまいました。初めて行く病院だったので時間がわからず1時間30分も早く着いてしまったので近くのホームセンターで時間をつぶすことにしました。店の端に宝くじ売り場があったのでどちらからともなく、今年の年末ジャンボは私が買えば当たるかもという話しで大盛りあがり。だって1000万人中2人にあたったんだもん。
 
 病院の近くに来ると大きい建てもものが見えたので、あそこにあったと話ながら行くと
あれちょっと違うみたい。老人ホームじゃないのと妻の一言。病院はその横の小さな建物でした。
 病院に入ると15人も待っているといっぱいなるぐらいの狭い狭い受付の前の場所で待たされされました。名前を呼ばれるまでPET診断のパンフレットを読んでいました。
それによると
PET-CT 検査の特徴
・10mm程度の小さながんの診断が可能です。 5mm程度の小さな癌細胞がみつかる場合もあります。
・短時間で全身のがん検査ができます。(がんの転移も診断できます)
・腫瘍の良性・悪性の判定、がんの進行度の診断ができます。
・放射性薬剤を投与しますが、ブドウ糖に似た薬剤なので副作用の心配もありません。
・PETとCTを一連の流れで行うことにより 検査時間の短縮と診断の正確さをアップしました。
・血流状態等を見ることにより、アルツハイマー型痴呆症や虚血性心筋梗塞等も診断・確認することが
可能です。
と書かれていました。

 名前を呼ばれて中に入ると、同意書にサインと印を押してからぶどう糖のようなものを点滴で体の中にいれます。その後それが全身に回るのを待つ為1時間ぐらい安静にして休んでいます。その後脳の検査が15分くらい、全身の検査が40分以上かかったと思います。これは自費診療なので今回17万ちかくかかりました。
 
 今は夕方の5時ぐらいです。朝軽く食べてから水以外なにも食べられなかったので腹ペコです。近くのレストランに飛び込んで妻と2人で食事してから帰りました。

 検査内容 PET-CT検査

 

 

 

 

 

父との会話

|

 病院から帰った私は会社の自分の部屋でしばらくぼ~としていました。

 ふと気がつくと坂道をゆっくり歩いている自分がいました。

 顔中涙でぐしょぐしょになって泣いていました。


   今だけ 、  今だけ 思いっきり泣かせて 



 涙が枯れたころ私は父のお墓の前に立っていました。

 病気になって2回目、こんな報告になって ごめんね

 しばらく父と話をして、帰り際に父と約束をしてきました。

 
 もう泣かないから絶対に泣かないから  これからは笑って過ごすから

 

 

 

 

 

運命に日

|

とうとうこの日が来てしまった。今までこの日が早くきてほしいような、まだまだ来ないで欲しい様な複雑の気持ちで毎日を過ごしていました。きっと誰しも病気になってから病名がわかるまでは複雑な心境なのでしょう。でも癌かもしれないと毎日毎日思いながら過ごさなれければいけないのは精神的にとても辛い日々だと思います。前回の診断で最後に先生が一言、二言話した言葉はもしかしたら今日の日の為だったのかもしれません。でも幸いにも私には仕事がありとても忙しい毎日を送っていました。

 今日も朝から仕事があり朝3時間ぐらい仕事をしてからいったん家に戻り、それから病院に向かうことになりました。今日は、妻も一緒です。このままドライブでも行きたいようなとってもいい天気です。今後の事も考え妻が運転をしています。

 この病院も今回で2回目。受付を済ませて待合室でまっていたのですが今回はなかなか呼ばれません。1時間以上待ったような気がします。妻がトイレに行ってすぐに私の名前が呼ばれました。
 
 診察室に入ると先生が "今日はひとり 誰か一緒に来てないの?"
 やっばり   だ。
 でも覚悟はしている。

 この後、妻といっしょに話を聞くことなりました。

  病名は、胞巣状軟部肉腫であること。
  肺に転移していること。
  1000万人に2人というとても珍しい病気であること。
  先生も医者になって過去に1人しか診ていないこと。
  化学療法が効かないこと。
  肺と脳に転移しやすいこと。
  進行は遅いこと。
  治療がとても難しいこと。
  余命は月単位でなく年単位であること。
  全身の検査の為PET検査すること。
  脳に転移してないかMRI検査をすること。
  
 さすがに 
 
  ショック 

 癌は覚悟していた。でも肺に転移しているとは思いもしなかった。
 
  最 悪 

 

 

 

 

実はこれからが私にとってとっても大変なのです。
 
  病気の事ではなく自分の会社の事です。

 病気の事を考えてめそめそしている時間が私にはまったくないのです。
 小さな会社なので経理から総務、生産現場の工程管理までほとんどの事は自分でやっていましたので私が長期の入院をしたらたちまち会社がまわらなくなります。

  時間か゜ない

 とにかく会社をまわさないと親会社に迷惑はかけるし、
 
 何よりも家族の生活費は?
 病院の治療費は?
 大変な事になってしまう!!!

とりあえず最低でも動けばなんとかなる。数人の社員に私の病気の話をすべてして協力してもらうしかない。私の仕事を4人に分散してなるべく詳しく説明してすぐに引き継いでもらうことにしました。
 
 一番大変なのが、事務処理。すべてパソコンで管理しているのですがちゃんとしたマニュアルがないのです。請求書はオリジナルソフト、給与計算ソフトも自分の会社用にカスタマイズされています。
 月に一回しか処理しないので短期間でこれ覚えられるわけがない・・・!!!
 どうしよう??

 

 

 

 

覚悟はきまった。いよいよがんセンターに行く日です。

 駐車場についてまず思ったのが以外と小さい建物だなって感じ。初めてなのできょろきょろしながら受付に行く。受付、会計、予約のロビーがやっぱり小さい。がん専用だからこんなもんかな?でもちょっとビックリしたことがありました。ここにいる人達はもしかして全員がんなの?若い人からお年寄りまでたくさんの人達が椅子に座っていました。

 待合室というか廊下の椅子で待っているとすぐに名前を呼ばれました。中に入って椅子にすわるとすぐにCT画像を見ていた先生が間違いなく腫瘍ですの一言。それから、腫瘍には良性と悪性があることなどを説明して下さった後中の腫瘍の一部をとって検査しないと詳しい事はわからないので、一部を採取するとのことでした。

 ここで先生に質問。前の病院でもしたのと同じなのですが腫瘍が2つあるので
方とらなくて良いのですか?

 たぶん同じものでしょう。

 なんかいや~な予感

 1センチぐらい切るのかなと思っていたのですが、簡単な麻酔をして注射器?、針?みたいなもの
 (実は、ちょっと怖くて何を使って採ったのか見ることができなかったのです)
を挿して幅1ミリぐらい長さ1センチぐいの腫瘍の一部を簡単にとることができました。やはりこの時も血が思っていたよりでた様です。

 先生がだいたいわかりました。何か質問ある?

 顕微鏡で確認しないとはっきりは言ってもらえないと思ったので
 一言だけ 長くかかりますよね? との問いに

 ここに紹介されてきたのだからね
 今、今後の治療を考えています。
 外科手術か?
 放射線治療か?
 化学療法か?
 どこまで言ったのかはっきり覚えていない。

 そこまで聞いていないんたけど
 
 でも99パーセント癌を確信
 
 検査内容 血液検査、針生検、肺のレントゲン
 

 

 

 

軟骨の肉腫

|

妻には全部話ししてきたけどばあちゃんにはまだ言っていない。がんセンターを紹介された以上話しをしないわけにはいかないだろう。きっと驚くだろうな。15年ぐらい前におじいちゃんを癌でなくして、今度は息子まで癌。ちょっと辛いけどこれも現実。落ち着いて話をしょう。

 早々にがんセンターに予約をいれる。11月6日に予約がとれた。なんと診療科が骨軟腫瘍科。そんな診療科が世の中にあるんだ。でも専門の先生に診てもらうことができるなんてなんて幸せなんだろう。ふとそう思った。

 11月6日まで今度は軟骨部の悪性腫瘍について毎日調べることになる。今は便利な世の中になった。ネットでほとんどの情報を瞬時に手にすることができる。子供のころならきっと本屋にいって・・・。

 

 

 

 

 

 


 今日CTの結果がでる。いろいろ調べた結果腫瘍だろうと覚悟をちょっとだけきめて病院に向かった。

 CTの結果、肩のこぶとは別に肩から脇の下に向けてもう一つ腫瘍らしきものが見つかりました。大きさ4センチぐらい。とっさに大きいなと感じた。先生の見解では、おそらく肩のこぶとはつながっていないだろうと思われるとのこと。それって転移??。先生は腫瘍とは言わない。

ちょっと興奮気味に調べたことを聞いてみる。

 骨肉腫ですか?
  年齢的にもたぶん違うだろう

 それじゃあ軟骨肉腫ですか?
  先生の回答なし。

 へんな間があってから先生が自分で調べたの?
  私の答え ネットで調べました。

とってもいやな予感。癌、転移??

頭の中がこの言葉で埋め尽くされてしまった。

その後先生からがんセンターの紹介状をもらう。

 間違いなく癌だ。
 でも良性??。
 いや違う。
 良性なら2つはできない。
 悪性。

会計をすませて、車にもどった時先生の言葉を一つ一つ確認するように思い出してみる。

 良性ならここで十分手術ができるだろ。
 でもがんセンターを紹介された。

 やはり  癌 癌 癌

 

 

 

 

 

このアーカイブについて

このページには、2007年11月以降に書かれたブログ記事のうち闘病記手術前カテゴリに属しているものが含まれています。

前のアーカイブは闘病記手術前: 2007年10月です。

次のアーカイブは闘病記手術前: 2007年12月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 4.1